今日も猫をきれいにしよう――にぎやかな入浴タイムが、わが家の日課になった話

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九月の夕方、まだ少し蒸し暑さが残る時間帯に、わが家のお風呂場はいつも戦場になる。

うちには三匹の猫がいる。長毛のキジトラ「むぎ」、短毛の白猫「しろ」、そして拾ってきたばかりのサビ猫「こはる」。三匹とも個性がバラバラで、猫の入浴に対するリアクションもまるで違う。むぎは断固拒否派、しろは諦め派、こはるは……なぜかわりと平気派だ。この組み合わせが、毎回のお風呂タイムをにぎやかなものにしている。

そもそも私が猫を洗いまくるようになったのは、去年の夏ごろからだ。こはるを拾ったとき、全身に泥と何かわからない油分がついていて、「これはさすがに洗わないと」と思ったのがきっかけ。ペット用シャンプーを買いに走り、洗面台に湯を張り、恐る恐る試みた。あのときのこはるの顔は今でも忘れられない。怒ってはいないけれど、明らかに「あなたのことを信じていたのに」という目をしていた。心の中で「ごめん、でもきれいにしようね」と謝りながら、それでも手を止めなかった。

今ではすっかり慣れて、週に一度か二度、三匹まとめて洗うのがルーティンになっている。

お風呂場に連れていくと、まずむぎが抵抗を始める。ドアの前で四本足を踏ん張り、体重を後ろにかけてじりじりと逃げようとする。その様子がなんとも力強くて、思わず笑ってしまう。シャワーのお湯を38度に設定して、背中からゆっくりかけていくと、最初は「ニャッ」と短く鳴いて抗議する。でも数十秒もすれば、あきらめたようにじっとしてくれる。あのあきらめの速さは、毎回少し申し訳なくなる。

しろはもっと静かだ。ただただ遠くを見ている。哲学者のような目で、シャワーの水音をやり過ごしている。洗い終わってタオルで包んだ瞬間だけ、少しだけ目が細くなる。温かいタオルの感触が好きなのかもしれない。そのふとした表情の変化が、なんだかうれしい。

こはるはといえば、今日もわりと平然としていた。シャンプーを泡立てて背中をなでると、うっとりしたように目を細める。もしかして、気持ちいいのか。猫用シャンプー「ネコラボ フォームウォッシュ」(架空のブランドだけれど、こういう名前のものがあったら絶対買う)のほのかなグリーンティーの香りが浴室に漂い、少しだけ贅沢な気分になる。

三匹洗い終えると、お風呂場はびしょびしょで、私の服もほぼ濡れている。タオルは三枚使い、ドライヤーの音が三十分は続く。子どものころ、実家で飼っていた犬を父と二人で洗った記憶がある。あのときも同じように服が濡れて、父が「もう犬を飼うのはやめよう」と言いながら笑っていた。結局また次の犬を飼ったのだけれど。

猫の入浴は、決して簡単ではない。でも洗い終えた三匹が、それぞれ好きな場所でふわふわになった毛並みを整えている姿を見ると、やってよかったと思う。むぎはソファの角、しろは窓際、こはるは私の足元。夕暮れの光が斜めに差し込んで、三匹の毛がそれぞれ違う色に輝いている。

にぎやかで、少し大変で、でもどこか愛おしい。これが、わが家の猫の入浴タイムだ。今日もきれいにしよう、と思いながら、また来週のお風呂を少しだけ楽しみにしている自分がいる。

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