猫と雨の日の窓辺で、何もしない贅沢

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窓の外、雨が降っている。

うちの猫が窓辺に座って、じっとその景色を見つめてるんだよね。私もなんとなく隣に座って、一緒に外を眺めてる。別に何か特別なことが起きてるわけじゃない。ただ雨が降ってて、猫がそれを見てて、私も見てる。それだけ。

最初は「何見てんだろ」って思ってたんだけど、気づいたら私も同じように外を見つめてた。雨粒がガラスを伝って落ちていく様子とか、向かいの家の屋根に当たってる雨音とか。普段なら絶対に気にしないようなことに、妙に意識が向いてしまう。猫の呼吸のリズムが聞こえてきそうなくらい、部屋の中は静かで。

この前、友達に「休日何してるの」って聞かれて、「猫と窓見てる」って答えたら笑われたんだけど。

雨の日の空気って独特じゃない?湿気を含んだ重たい感じというか、窓ガラスが少しひんやりしてて、その冷たさが頬に伝わってくる。午後3時くらいだったかな、外はもう薄暗くて、街灯がぼんやり光り始めてた。猫の目がその光を反射して、緑色に光ってる。こういう瞬間、猫って本当に不思議な生き物だなって思う。何を考えてるのか全然わからないし、わかろうとも思わないけど、なんか一緒にいると落ち着くんだよね。

私が小学生の頃、雨の日は図書室で本を読むのが好きだった。窓際の席に座って、外の雨を横目に見ながらページをめくる。あの感覚に似てるかもしれない。何かをしなきゃいけないっていうプレッシャーから解放される感じ。雨が降ってるから外に出られない、だから家にいるしかない、っていう言い訳ができる。

猫は相変わらず微動だにしない。尻尾だけがたまにぴくっと動くくらいで、あとは石像みたいに固まってる。何がそんなに面白いんだろう。鳥でも飛んでるのかと思って視線を追ってみたけど、特に何もいない。ただ雨が降ってるだけ。でもきっと猫には、私には見えない何かが見えてるんだろうな。

スマホを見ようかなって思ったけど、やめた。

このまま何もしないでいるのも悪くないって気づいたから。最近、常に何かしてないと落ち着かない自分がいて、それが少し疲れてたのかもしれない。SNSをチェックして、メールを確認して、動画を見て。隙間時間を埋めることに必死になってた。でもこうやって猫と一緒に雨を見てるだけの時間って、実は贅沢なのかもしれないって思えてきた。

窓の外で誰かが傘をさして走っていく。猫の耳がぴくんと動いた。足音に反応したのかな。でもすぐにまた元の姿勢に戻って、雨を見つめ続けてる。私も真似して、また外に視線を戻す。

雨の匂いがかすかに部屋に入ってくる。どこかの窓が少し開いてるのかもしれない。土の匂いと、濡れた葉っぱの匂いが混ざったような、あの独特の雨の匂い。嫌いじゃない、むしろ好きかも。

コーヒーでも淹れようかなって思ったけど、立ち上がるのが面倒になった。猫の隣から離れたくないっていうのもある。この猫、普段はあんまり懐かないくせに、こういう時だけ妙に近くにいたがるんだよね。ツンデレってやつ?いや、ツンツンか。デレはほとんど見たことない気がする…だけど。

時計を見たら、もう1時間くらい経ってた。何もしてないのに、あっという間。こんな時間の過ごし方、いつぶりだろう。子供の頃以来かもしれない。大人になると、時間を「有効活用」しなきゃって思い込んでしまうけど、有効活用って何だろうね。生産性とか効率とか、そういう言葉に縛られすぎてた気がする。

猫はまだ見てる。私も見てる。雨はまだ降ってる。それでいいのかもしれない、今日は。

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