突然の猫パーティー!家中を占拠された飼い主の奮闘記

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私の平穏な日常が一変したのは、あの日のことだった。リビングから聞こえてくる怪しげな物音に、思わず足を止める。ドアを開けると、そこには信じられない光景が広がっていた。

我が家の愛猫モモが、近所の野良猫たちとパーティーでも開いているかのように、部屋中を走り回っているではないか。どうやら窓の隙間から入ってきたらしい3匹の野良猫たちが、モモと一緒になって私の大切なソファーの上を跳び回り、カーテンにぶら下がり、まるでジャングルジムのように家具を使って遊んでいる。

「モモ!何してるの!?」

私の声に一瞬動きを止めた猫たち。しかし、それはほんの一瞬のことで、次の瞬間には更なる混沌が始まった。キッチンカウンターの上に置いていた観葉植物が倒れ、土が床に散らばる。その音に驚いた猫たちは、さらに激しく走り回り始めた。

呆然と立ち尽くす私の足元を、茶トラ、黒猫、キジトラが次々と駆け抜けていく。その後ろを我が家のモモが追いかけ、まるでリレー競争のように玄関から寝室まで、家中を縦横無尽に駆け回る。

「もう、いい加減にして!」

叱責の声を上げても、猫たちはお構いなしだ。むしろ私の声に煽られたかのように、さらにハイテンションになっていく。本棚の上から降りてこようとした黒猫が、バランスを崩して本を何冊か落としてしまった。

私は深いため息をつきながら、この予期せぬ猫パーティーをどうにか収束させようと奮闘する。しかし、猫たちの興奮は収まる気配がない。キッチンから物音が聞こえ、覗いてみると今度は食器棚の上で茶トラとキジトラが追いかけっこを始めていた。

「やめて!そこは危ないでしょ!」

必死に止めようとする私をよそに、猫たちは更に楽しそうに遊び始める。モモは普段、大人しい性格なのに、今日に限ってこんなに活発になるなんて。まるで別の猫かと思うほどだ。

時計を見ると、この騒動が始まってからすでに1時間が経過していた。部屋は見事に荒らされ、観葉植物は倒れ、本は散乱し、カーテンは引きちぎられかけている。まるで台風が通り過ぎたかのような惨状だ。

そんな中、突然の静寂が訪れた。猫たちが一斉に動きを止め、何かに気付いたように窓の方を見つめている。外を見ると、夕暮れ時の空が赤く染まっていた。まるで合図でもあったかのように、野良猫たちは来た時と同じように窓から次々と姿を消していった。

残されたのは、疲れ切って床に寝そべるモモと、呆然と立ち尽くす私。部屋の惨状を見渡しながら、なぜこんなことになったのか考える。モモは普段、外の猫に対して警戒心が強いはずなのに。

片付けを始めながら、ふと気がついた。今日はモモの誕生日だった。まさか、これは猫たちによる誕生日パーティーだったのだろうか。そう考えると、少し笑みがこぼれる。

しかし、その笑顔も長くは続かなかった。なぜなら、モモが再び元気を取り戻し、まるで余韻を楽しむかのように、また走り回り始めたからだ。今度は一匹だけなのに、なぜかさっきより激しい。

「もう、いい加減休んだら?」

諭すように声をかけるも、モモは私の言葉など耳に入っていない様子で、新たな遊びを開始。今度はカーテンを登り始めた。まだ終わっていなかったのか、この騒動は。

結局、モモが完全に疲れ果てて眠りについたのは、夜の9時を回っていた。私は疲労困憊しながらも、散らかった部屋を元通りに戻す作業を続けた。明日からは必ず窓にはしっかりと網戸をつけようと心に誓う。

しかし不思議なことに、この騒動から数日経った今でも、あの日のことを思い出すと少し笑みがこぼれる。確かに大変な出来事だったけれど、普段見られない活発なモモの姿や、野良猫たちとの予期せぬ交流は、なんだか特別な思い出として心に残っている。

ただし、二度目は勘弁してほしい。そう思いながら、今日も窓の外を警戒するように眺めているモモを見つめている。もしかしたら、また誰かが訪ねてくるのを待っているのかもしれない。でも今度は、そう簡単には侵入させないぞ。

そんな決意も虚しく、つい先ほど、またあの茶トラが窓の外でニャーンと鳴いていたような気がする。モモの耳がピクリと動いたのを見て、私は思わずため息をついた。まさか、また始まるんじゃないだろうな…。

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