猫を洗う日々が教えてくれた、予想外すぎる真実

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うちの猫、めちゃくちゃ洗ってる。

週に一度は確実に風呂場に連れ込んで、シャンプーして、すすいで、タオルで拭いて。友達に話すと「猫って自分で毛づくろいするんじゃないの?」って不思議がられるんだけど、うちは事情が違うんだよね。3匹いるんだけど、そのうちの1匹が外に出たがる癖があって、帰ってくると毎回どこかで転げ回ってきたみたいに汚れてる。で、他の2匹がその子を舐めちゃうから、結局全員洗うことになる。

最初に猫を洗ったのは去年の5月だった。雨上がりの夕方で、窓から差し込む光が妙に黄色くて、その光の中で猫の毛についた泥が乾いてカピカピになってるのが見えた瞬間、「あ、これ洗わなきゃダメだ」って思ったんだよね。洗面台にぬるま湯を張って、恐る恐る猫を入れてみたら、想像の三倍くらい暴れた。爪でひっかかれて、腕に赤い線が何本もできて、「もう二度とやらない」って心に誓ったはずなのに。

気づいたら習慣になってた。

猫を洗うときの音がさ、意外とにぎやかなんだよ。シャワーの水音、猫の鳴き声、濡れた足が洗面台を蹴る音、それから自分の「ごめんごめん、すぐ終わるから」っていう謝罪の言葉。全部が混ざって、小さな風呂場がライブハウスみたいになる。最近は近所の人に「お宅、いつも夜7時くらいに賑やかですよね」って言われて、ちょっと恥ずかしかった。でも説明するのも面倒で「ええ、まあ…」って濁した。

洗い方にもコツがあって、首の後ろから濡らしていくとわりと大人しくなる。顔は最後。耳に水が入らないように、親指で耳を軽く押さえながらシャワーを当てる。使ってるシャンプーは「ピュアキャット」っていう、ペットショップで勧められたやつ。泡立ちがよくて、すすぎも楽。香りはほぼ無臭に近いんだけど、洗ったあとの猫からほんのり石鹸の匂いがして、それが好き。

ところで全然関係ないんだけど、中学生のとき飼ってた金魚を洗おうとしたことがある。

水槽の掃除じゃなくて、金魚そのものを。なんか体の表面がぬるぬるしてるのが気になって、スポンジで優しくこすってみたら、次の日死んでた。あのぬるぬるが大事だったらしい。母親にめちゃくちゃ怒られて、「生き物を洗うな」って言われたのに、今また洗ってる。猫だけど。

きれいにしようって思う気持ちって、どこから来るんだろうね。猫は別に汚れてても気にしてないかもしれないのに、人間の方が勝手に「汚い」って判断して、勝手に洗って、勝手に満足してる。でも洗い終わったあとの猫を見ると、毛がふわっとして、目がキラキラして見える気がするんだよ。気がするだけかもしれないけど。3匹並んでグルーミングし合ってる姿を見ると、「ああ、洗ってよかったな」って思う。

一番大変なのは乾かす工程で、タオルドライだけじゃ全然乾かないから、ドライヤーを使うんだけど、これがまた嫌がる。風の音が怖いのか、温度が嫌なのか、とにかく逃げようとする。だから洗濯ネットに入れたまま乾かすっていう荒業を編み出した。ネット越しにドライヤーの風を当てると、逃げられないし、わりと効率的。友達に話したら「虐待じゃん」って言われたけど、猫は元気だし、むしろ毛並みが良くなってる気がする。

冬の夜に猫を洗うと、湯気が立ち上って、窓ガラスが曇る。その曇りに指で絵を描いたりしながら、「来週もまた洗うのか…」ってちょっとうんざりする。

でもやめられないんだよね、これが。

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