日曜日の朝、私は心地よい寝息を立てながらベッドの中で夢の続きを楽しんでいた。カーテンの隙間から差し込む柔らかな陽の光が、ゆっくりと部屋を明るく染めていく。そんな穏やかな朝の静けさを破るように、ふわりとベッドが軽く沈んだ。
「にゃぁ…」
耳元で聞こえた小さな鳴き声に、私は薄目を開けた。そこには、丸い瞳でじっと私を見つめる愛猫のモモが座っていた。琥珀色の瞳が朝日に輝いて、まるで宝石のように美しい。
「おはよう、モモ。まだ早いよ…」
私が寝返りを打とうとすると、モモは小さな前足で私の頬を優しくタッチしてきた。柔らかなパッドの感触が心地よい。でも、まだ眠りたい。そう思って目を閉じると、今度は私の髪の毛に顔をすりすりと擦り付けてきた。
「もう、しょうがないなぁ…」
諦めて体を起こそうとした瞬間、モモは嬉しそうに「にゃー!」と鳴いて、ベッドの上でくるりと一回転した。その仕草がとても愛らしくて、眠気も吹き飛んでしまう。
実は、この光景は毎朝の日課となっている。私が寝坊しそうになると、必ずモモが起こしに来てくれるのだ。最初は迷惑に感じていたが、今では大切な朝のルーティンになっている。
モモがやってきた当初、保護猫カフェで出会った時の事を思い出す。ケージの中で震えていた小さな子猫は、私と目が合った瞬間に不思議な縁を感じさせた。あの時の可愛らしい瞳は、今でも変わらずに私の心を癒してくれている。
ベッドの上で待つモモの横で、私はゆっくりと伸びをする。モモは私の動きに合わせるように、同じように背伸びをした。その姿に思わず笑みがこぼれる。朝日に照らされた白い毛並みが、まるで天使の羽のようにふわふわと輝いている。
「よしよし、起きたよ。ご飯にしようか」
その言葉を待っていたかのように、モモは嬉しそうに尻尾を立てて小走りでキッチンへ向かった。後を追って歩きながら、私は幸せな気持ちに包まれる。
猫に起こされる朝は、確かに予定より早い目覚めかもしれない。でも、愛おしい存在に起こされる幸せは、どんな目覚まし時計にも代えられない。モモの可愛い瞳に魅了されながら、私は新しい一日の始まりを噛みしめる。
キッチンでモモの朝ごはんを用意しながら、窓の外を眺める。休日の朝の静けさの中、モモの食事の音だけが心地よく響く。ふと振り返ると、モモは私を見上げながら幸せそうに食事を続けている。
この3年間、モモと過ごした朝は数えきれない。でも、毎朝新鮮な気持ちで目覚められるのは、きっとモモの存在があるからだろう。時には甘えん坊になり、時には頑固で、そして常に愛らしい。そんなモモの全てが、私の生活に彩りを添えてくれている。
食事を終えたモモは、満足げな表情でグルーミングを始める。丁寧に毛づくろいをする姿は、まるで朝の身支度をする淑女のよう。私も朝食の準備を始めながら、こっそりとその仕草を眺める。
休日の朝は、特別なゆとりを感じられる時間だ。急かされることなく、モモと過ごす静かな時間は何物にも代えがたい贅沢だと感じる。時々、モモは私の足元にすり寄ってきては、甘えた声で鳴く。その度に心が温かくなる。
朝食を終えた後、私はソファに座ってコーヒーを飲む。すると、モモは私の膝の上に飛び乗ってきた。丸くなって寝そうな気配を見せるその姿に、思わず微笑んでしまう。
「さっきは起こしておいて、今度は寝るの?」
そう話しかけると、モモは気持ちよさそうにゴロゴロと喉を鳴らし始めた。その音は最高の癒やしの音楽だ。暖かな日差しの中、モモと過ごす穏やかな朝のひととき。これこそが、私の理想の休日の過ごし方なのかもしれない。
外では人々が行き交い始め、日常の喧騒が少しずつ聞こえてくる。でも、この部屋の中は特別な空間のまま。モモと二人きりの、静かで温かな時間が流れている。
時計を見ると、もう午前中も終わりに近づいていた。モモは相変わらず私の膝の上で気持ちよさそうに眠っている。起こすのが惜しいけれど、そろそろ動き出さなければならない時間だ。
「ごめんね、モモ。少し動くよ」
そっと声をかけながらモモを抱き上げると、不満げな鳴き声を上げながらも素直に移動してくれた。立ち上がった私の足元で、モモは伸びをしながら大きなあくびをする。
この日常の何気ない瞬間の一つ一つが、実は私にとってかけがえのない宝物なのだと気づく。猫に起こされる朝。可愛い瞳に見つめられる幸せ。ベッドの中での温かなふれあい。全てが特別な思い出として、心に刻まれていく。
窓の外では春の柔らかな風が吹き、カーテンが静かに揺れている。モモは窓辺に移動して、外の景色に見入っている。その横顔を見ながら、私は改めて感謝の気持ちを噛みしめる。こんな素敵な朝の時間を、毎日共に過ごせることに。
そして、また明日も同じように、モモの可愛い瞳に起こされる朝が来ることを、心から楽しみにしている。
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