窓から差し込む朝日に、ゆっくりと目を開けると、いつものように私の枕元で丸くなって眠っているミィがいます。真っ白な毛並みに朝日が反射して、まるで天使のような輝きを放っています。
「おはよう、ミィ」と声をかけると、ゆっくりとまぶたを開け、「にゃぁ」と返事をしてくれます。この日課が、私の一日の始まりです。3年前、保護猫カフェで出会ったミィは、当時まだ6ヶ月の子猫でした。人見知りで隅っこに座っていた彼女と目が合った瞬間、私の心は決まりました。
猫と暮らし始めてから、私の生活は大きく変わりました。朝型の生活になり、食事の時間も規則正しくなりました。何より、帰宅後に「ただいま」と言うと、玄関まで出迎えてくれる存在がいることの幸せを、日々感じています。
食事の時間は特別です。私が台所に立つと、必ずミィがやってきて足元でくるくると回り始めます。最初は邪魔になることもありましたが、今では彼女の存在が当たり前になっています。実は、料理を始める前に必ず彼女のご飯を用意するようになりました。猫は待つことが苦手なので、これが私たちの暮らしの知恵です。
休日の朝食づくりは、特に幸せな時間です。トーストの香りが部屋中に広がり、コーヒーを淹れる音が響く中、ミィは窓辺の専用スペースでくつろいでいます。時々、料理の音に興味を示して首をかしげる仕草が愛らしくて、思わず手を止めて見とれてしまいます。
猫と暮らすようになって、食事の準備や片付けにも気を配るようになりました。包丁やまな板は使用後すぐに洗い、調理台は常に清潔に保つように心がけています。これは、好奇心旺盛な猫が調理台に飛び乗ることを防ぐためでもありますが、同時に私自身の生活も整理整頓されていきました。
夕食後のひとときは、私たちの大切な団らんの時間です。ソファに座ってテレビを見ていると、必ずミィが膝の上にやってきます。温かい重みと、のどを鳴らす心地よい振動が、一日の疲れを癒してくれます。時には、仕事で疲れて帰った日も、彼女の存在だけで心が落ち着きます。
休日には、ミィのためのおやつ作りにも挑戦します。獣医さんに確認しながら、鶏ささみを茹でて細かく刻んだり、マグロの煮付けの一部を取り分けたりします。人間の食事の延長で作れる猫用おやつは、ミィにとても喜ばれます。もちろん、市販のキャットフードをメインにしていますが、時々の手作りおやつは特別な愛情表現です。
季節の変わり目には、換毛期で毛が抜けやすくなります。そんな時期は特に、掃除の頻度を増やし、食事の際も毛が入らないように気を付けています。でも、少し面倒に感じることもある掃除も、ミィが気持ちよさそうに毛づくろいをする姿を見ると、頑張れる気がします。
夜は決まって、私が本を読んでいると横たわってきて、一緒に過ごします。時には本の上に乗ってきて、読書の邪魔をすることもありますが、そんな時も怒る気にはなれません。むしろ、そんなじゃれ合いも私たちの大切な日常の一コマです。
料理の腕も上がりました。以前は外食や簡単な調理で済ませがちでしたが、家で過ごす時間が増えたことで、新しいレシピに挑戦することも増えました。キッチンで料理をしていると、ミィが興味深そうに見つめてくる姿に励まされ、より丁寧に作るようになりました。
時には友人を招いて食事会をすることもあります。最初は人見知りだったミィも、今では常連の友人たちとすっかり打ち解け、みんなで和やかな時間を過ごせるようになりました。「猫がいる家って落ち着くね」と言われるたびに、誇らしい気持ちになります。
猫との暮らしは、時に予想外の出来事の連続です。大切な料理が冷めないうちに食べられなかったり、せっかく並べた食材に手を出されそうになったり。でも、そんなハプニングも含めて、かけがえのない思い出になっています。
最近では、ミィの好みに合わせて食器の位置を変えたり、水飲み場を増やしたりと、より快適な環境作りを心がけています。彼女が安心して暮らせる場所づくりは、私自身の癒しの空間づくりにもつながっています。
夜、寝る前の準備をしていると、ミィは既にベッドで待っています。明日の朝ごはんのことを考えながら、彼女の寝顔を見ているとつい長居してしまいます。私の人生に、こんなに愛おしい存在が加わるとは、3年前には想像もしていませんでした。
猫と暮らすということは、新しい家族を迎えるということ。毎日の食事の時間も、くつろぎの時間も、すべてが特別な思い出として積み重なっていきます。時には予定通りにいかないことも、思わぬ出来事も起きますが、それも含めて私たちの大切な日常なのです。
これからも、ミィとの暮らしの中で、たくさんの幸せな時間を重ねていきたいと思います。朝の光の中で交わす挨拶から、夜の静かな読書時間まで、すべての瞬間が宝物です。猫と暮らす幸せを、これからもずっと大切にしていきたいと思います。
コメント