窓から差し込む朝日に目覚めると、いつものように私の枕元で丸くなって眠っているミルクがいます。真っ白な毛並みが朝日に輝いて、まるで天使のような姿で静かな寝息を立てています。
私が少し体を動かすと、ミルクはすぐに気づいて、とろんとした目で私を見つめ始めます。「おはよう」と声をかけると、のそのそと近づいてきて、頭をすりすりと私の手に擦り付けてきました。この朝の挨拶は、もう3年続く私たちの日課です。
ミルクと出会ったのは、雨の降る寒い夜でした。当時、私は仕事で疲れ切っていて、心にぽっかりと穴が空いているような虚しさを感じていました。帰り道、コンビニの裏手で鳴いていた子猫を見つけたとき、その小さな命の温もりが私の心に響きました。
濡れた段ボールの中で震えていた子猫を家に連れて帰り、タオルで優しく包み込んだときの温かさは今でも忘れられません。獣医さんの診察を受け、栄養状態は良くないものの大きな病気はないと分かり、その夜から私とミルクの生活が始まりました。
朝食の準備をしていると、キッチンまでついてきて、私の足元でくるくると回り始めます。「はいはい、ミルクの朝ごはんも用意するからね」と話しかけながら、専用のフードボウルにキャットフードを入れます。最近は年齢に合わせて、消化に優しい種類に変えました。
私が食卓に座ると、ミルクも自分の食事を済ませた後、いつものように私の隣の椅子に飛び乗ってきます。窓の外を眺めながら、私のトーストを食べる音を聞いているのが好きなようです。時々、私の方を見て、ゆっくりとまばたきをする姿に、心が温かくなります。
休日の午後は特別な時間です。私が読書をしていると、必ずミルクがやってきて膝の上で寝そべります。本を持つ手が少し疲れても、幸せそうに喉を鳴らす姿を見ていると、少しも動きたくなくなります。時には一緒に居眠りをしてしまうこともあります。
夕方になると、ミルクは窓辺の定位置で外を眺め始めます。小鳥や虫を見つけると、尻尾をピクピクと動かしながら、興味深そうに観察しています。時々、私に向かって「ニャー」と鳴いて、発見したものを教えてくれようとします。
夕食の準備をする時間も、私たちの大切な時間です。包丁を使う音や、野菜を炒める音に興味を示し、キッチンの入り口で首を傾げながら見つめています。以前は調理台に飛び乗ろうとしていましたが、今では「ダメよ」と言うと素直に諦めるようになりました。
食事の時間は、私とミルクにとって一日の中で最も穏やかな時間です。テレビの優しいBGMを背景に、私が食事をする傍らで、ミルクも自分のディナーを楽しみます。たまに私の食事を見つめてくることもありますが、決して無理にねだることはありません。
夜は特別なスキンシップの時間です。ブラッシングをすると、とても気持ち良さそうにしています。ブラシが通るたびに、幸せそうに目を細めて、時には大きなあくびをします。この時間を通じて、一日の疲れが癒されていくのを感じます。
就寝前、私がベッドに入ると、必ずミルクがやってきて、私の隣で丸くなります。小さな体から伝わる温もりと、規則正しい寝息は、私にとって最高の安眠剤です。時には夜中に目が覚めることもありますが、隣で眠る愛猫の姿を見ると、すぐに心が落ち着きます。
猫と暮らし始めてから、私の生活は大きく変わりました。朝型の生活になり、食事も規則正しくとるようになりました。何より、帰る場所に誰かが待っているという幸せを知りました。疲れて帰宅しても、玄関で出迎えてくれるミルクの姿を見ると、全ての疲れが吹き飛びます。
休日は一緒に日向ぼっこをしたり、新しいおもちゃで遊んだり、時にはグルーミングをしながらゆっくりと過ごします。猫用のおやつを与えるときの嬉しそうな表情や、私の膝の上でゴロゴロと喉を鳴らす声を聞いていると、この何気ない日常がどれほど贅沢なものか感じます。
ミルクの存在は、私の生活に色とりどりの彩りを添えてくれました。仕事で悩んでいるときも、体調を崩しているときも、常に寄り添ってくれる存在がいることで、どんな困難も乗り越えられる気がします。
時には友人から「猫って気ままだし、構ってくれないんじゃない?」と聞かれることもあります。確かにミルクにも自分の時間を大切にする瞬間はありますが、それ以上に私との時間を心から楽しんでいることが伝わってきます。
猫と暮らすということは、お互いを理解し、尊重し合う関係を築くということ。押し付けがましい愛情ではなく、適度な距離感を保ちながら、深い絆で結ばれていく。そんな関係性が、私とミルクの間に自然と育まれていきました。
今では、ミルクのいない生活など想像もできません。朝の目覚めから夜の就寝まで、すべての時間が愛猫との大切な思い出として積み重なっていきます。これからも、この穏やかで幸せな日々が続いていくことを願いながら、今日も私たちは新しい一日を始めます。
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