窓辺から差し込む柔らかな朝日に、モフモフした尻尾がゆらゆらと揺れている。私の愛猫のミィは、いつものように朝日を浴びながら、外の鳥たちを眺めている。この光景から私の一日は始まる。
猫と暮らし始めて早くも3年。一人暮らしだった私の生活は、ミィが来てから驚くほど豊かになった。以前は、帰宅後すぐにスマートフォンをいじったり、テレビをつけたりしていたが、今では玄関を開けた瞬間から、甘えん坊なミィとの時間が始まる。「おかえり〜」と言うような鳴き声で出迎えてくれる彼女の存在は、疲れた心を癒してくれる特効薬だ。
特に私が大切にしているのは、食事の時間。実は、ミィが我が家にやってくる前は、自分の食事にそれほど気を使っていなかった。コンビニ弁当や出来合いの総菜で済ませることも多く、栄養バランスなど考えたこともなかった。でも、ミィの食事にこだわり始めたことで、不思議と自分の食事も見直すようになった。
ミィの食事は、獣医さんに相談しながら、年齢や体調に合わせて慎重に選んでいる。良質なタンパク質を含むキャットフードを基本に、時々は手作りのおやつも用意する。魚を焼く音を聞くと、キッチンに駆けつけてくる彼女の姿は本当に愛らしい。その様子を見ていると、私も「ちゃんとした食事」を作りたくなる。
休日の朝は特別な時間だ。ゆっくりと目覚め、キッチンで朝食の支度を始める。トースターでパンを焼く香ばしい香りが部屋中に広がると、いつもは寝ている時間のミィも起きてきて、私の足元でくるくると回り始める。彼女の朝ごはんを用意しながら、自分のための具沢山のサラダやスープも作る。食卓に二つの食器を並べ、それぞれの朝食を楽しむ。この何気ない時間が、どれほど贅沢なものか。
夜は、仕事から帰ってきた後も、できるだけ自炊を心がけている。簡単な料理でも、新鮮な食材を使って手作りすることで、心も体も満たされる。キッチンに立つ私の横で、ミィは興味深そうに調理の様子を見つめている。時には邪魔をしてきて、包丁を使うのに苦労することもあるが、それも含めて楽しい時間だ。
最近は、SNSで「猫との暮らし」や「おうちごはん」の写真を投稿することも楽しみの一つになった。食事の準備をしている時に、思わず写真を撮りたくなるような瞬間が増えた。キッチンカウンターに座って料理を見守るミィの姿や、食卓に並んだ料理と、その横でくつろぐ彼女の姿。それらの写真には、必ず温かいコメントが寄せられる。
猫と暮らすことで、食事の時間が特別な意味を持つようになった。急いで食事を済ませることもなくなり、テレビを見ながらの「ながら食事」も減った。代わりに、窓際のカウンターで、ゆっくりと食事を楽しむ習慣が身についた。ミィは私の隣で、まったりと毛づくろいをしたり、外を眺めたりしている。
料理のレパートリーも確実に増えた。休日には新しいレシピに挑戦することもある。失敗することもあるが、そんな時でもミィは決して批判的な目は向けない。むしろ、キッチンでうろうろする私の傍らで、いつも以上に甘えてきたりする。そんな彼女の存在が、料理への挑戦を後押ししてくれる。
季節の変わり目には、食材の選び方も変化する。夏は涼しげな野菜たっぷりの料理、冬は体が温まる煮物や鍋物。ミィの食事も季節に合わせて調整する。暑い季節には水分補給を意識し、寒い季節には少しカロリーを増やすなど、細かな配慮を心がけている。
そして何より嬉しいのは、この生活習慣が私の健康にも良い影響を与えていることだ。以前に比べて肌の調子が良くなり、体重も適正範囲で安定するようになった。規則正しい食事と、ミィとの穏やかな時間が、心身ともにバランスの取れた生活をもたらしてくれているのだと実感している。
猫と暮らすことは、時に手間がかかることもある。でも、その分だけ得られる喜びも大きい。特に食事の時間は、ミィと過ごす大切なひとときとなっている。彼女の存在が、私の生活をより豊かで味わい深いものにしてくれているのは間違いない。
今日も夕暮れ時、キッチンの窓から差し込むオレンジ色の光の中で、私は夕食の支度を始める。ミィは、いつものように私の足元で、まったりとした時間を過ごしている。この平凡でありながら、かけがえのない日常が、これからも続いていくことを願いながら。
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