本の上に乗る猫を許せない日と許せる日の話

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最近また読書の邪魔をされている。

うちの猫は私が本を開くと必ず膝に乗ってくる。いや、膝ならまだいい。問題は本の上に直接乗ってくることで、しかもそのタイミングがいつも絶妙なんだよね。ちょうど物語がクライマックスに差し掛かって、犯人が今まさに明かされようとしている、その瞬間に「にゃあ」って言いながらページの真ん中にどっかり座る。最初は可愛いと思ってたんだけど、これが毎回続くとさすがにイラッとする時もある。特に図書館で借りた本だと、猫の毛が挟まったまま返却することになって、なんとなく申し訳ない気持ちになったりして。

去年の秋、夜の10時過ぎだったと思うけど、ようやく手に入れた話題の推理小説を読んでいた時のこと。部屋の照明を少し落として、温かいコーヒーを淹れて、完璧な読書環境を整えたわけ。ページをめくる音だけが静かに響いて、物語の世界に没入しかけていた。そうしたら案の定、うちの猫が足音も立てずに近づいてきて、助走もつけずにいきなり本の上にジャンプ。しかも着地に失敗して本がぐしゃっと折れ曲がった。「ちょっと!」って声を出したら、猫はきょとんとした顔でこっちを見るだけ。

その時ふと思い出したんだけど、小学生の頃に飼っていた金魚の話。あれは読書とは全く関係ないんだけど、その金魚が水槽の中でずっと同じところをぐるぐる回ってて、見てると催眠術にかかりそうになるんだよね。で、ある日突然その金魚が逆回転し始めて、家族全員で「天変地異の前触れか」って大騒ぎしたことがある。結局何も起きなかったけど。

猫の邪魔の仕方にもバリエーションがあって、本の上に乗るだけじゃない。ページをめくろうとすると手を叩いてきたり、しおりを咥えて持っていったり、本を読んでる私の顔と本の間に自分の顔を割り込ませてきたりする。一番困るのは、読んでる最中に突然喉を鳴らし始めること。あのゴロゴロ音って、集中してる時に聞くと意外と気が散るんだよね。でも不思議なことに、その音を聞いてると読書のことなんてどうでもよくなってくる。

実は猫が邪魔をしてくるのは、ちゃんと理由があるらしい。動物行動学の本で読んだんだけど、猫は飼い主が何か別のものに集中していると、自分への注意が向いていないことに気づいて、わざと邪魔をすることで関心を引こうとするんだって。つまり「私を見て」っていう主張。そう考えると、邪魔されることも悪くないかなと思えてくる。本は明日も読めるけど、この猫と過ごせる時間は有限だし。

とはいえ、締め切り前に資料を読まなきゃいけない時とか、試験勉強してる時とかは本気で困る。一度、重要な契約書を読んでいる時に猫が乗ってきて、慌てて払いのけようとしたら爪が引っかかって書類が破れたことがあった。あの時は本当に焦った。上司に説明する時「猫が…」って言い訳したら、「ペットを飼う責任を考えろ」みたいな説教をされて、なんか違うんだよなあって思ったけど。

最近は猫が来ることを前提に読書スタイルを変えた。本を読む時は必ず膝の上に大きめのクッションを置いて、そこに猫が乗れるスペースを確保しておく。そうすると猫も満足するし、私も読書を続けられる。Win-Winってやつ。ただ、このスタイルだと本を持つ腕が疲れるんだよね。片手で本を支えながら、もう片方の手で猫を撫でるっていう、なかなか高度な技術が要求される。

友達に「猫用の読書台みたいなの買えば」って言われたことがある。確かにそういう商品もあるらしい。「キャットリーディングボード」とかいう名前で、読書する人の横に猫が座れるように設計されてるやつ。でも、それを買ったら買ったで、猫は絶対そこに座らないんだろうなって確信がある。猫ってそういう生き物だから。

今日も本を開いたら、やっぱり猫が来た。今日は珍しく本の横に座って、一緒にページを見てるような格好をしている。もちろん文字が読めるわけじゃないんだろうけど、なんとなく読書仲間みたいで嬉しかったりする。

まあ、こんな感じで毎日邪魔されながら本を読んでる。効率は悪いし、読書ペースは落ちたけど…それでいいかなって最近は思う。

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